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CASE 01道路のり面構造物の維持管理

協力:日特建設株式会社 様

道路のり面構造物は高所にまで及ぶため、点検時に上部の劣化や異常の詳細を把握するのが困難なことが多々あります。
必要がある場合、のり面上に親綱でぶら下がり詳細を確認しますが、専門性の高い特殊作業となります。 また、点検結果を写真やスケッチを用いて記録する場合、撮影の距離や位置・方向などが一定でないため、正確な位置や範囲がつかめず、変状進行の有無がわかりにくいという問題も生じます。
日特建設様では、UAV撮影とSfM(StructurefromMotion)技術を用いて取得した3次元モデルによる点検を実施しました。 3次元モデルの作成には、Webを活用し、短時間で簡単に3次元モデルが得られるKKC-3Dを使用しています。

対象のり面

寒冷地の山間道路の吹付のり面で、凍結融解の影響を受け吹付表面の劣化が進んでいました。 対岸は深い谷でのり面全体は見通せず、のり面上部の状況も道路からでは確認できません。
※現在は補修工事が完了しています。

3次元モデルでのり面全体を詳細に把握

UAVにより写真撮影を行い、KKC-3Dを用いて3次元モデルを取得します。 そのため、のり面全体の状況が把握ができるほか、視点の変更やズームといった3次元モデルの利点を活かした確認も可能です。 また、のり肩部分の状況も確認できます。

三次元モデルののり肩付近を拡大。
補修工事中のため、劣化部、補修中の範囲、補修が完了した範囲がよく確認できる。

優れた点検記録媒体

詳細な記録を残したい箇所を、デジカメにより接写し、KKC-3Dを用いて3次元モデルを取得します。 モデルは位置情報を有しており、全体の3次元モデルとの合成が可能であるため、撮影位置を正確に把握することができます。
また、次回点検時には撮影距離・方向・位置などを気にせず撮影しても、記録写真として経年変化が高精度で比較できます。

デジカメで近写した写真からKKC-3Dで作成した三次元モデル。拡大や視点の変更により、詳細な確認が可能。

ご利用者様の声

迅速な3次元モデル作成は魅力的

UAVによる撮影とSfM技術により入手した3次元モデルにより、従来困難であった高所ののり面の状態を把握することが可能となりました。
また、点検記録媒体としても非常に優れており、のり面構造物の点検に力を発揮すると思われます。 今後は点検だけでなく、補修補強工事の提案、施工計画や施工管理などに活用の場を拡大していこうと考えます。 その際、簡易モデルであれば、写真をアップして数時間で簡単に3次元モデルを提供できるKKC-3Dには、多いに期待が持てます。

【引用文献】
宇次原雅之・村木広和・窪塚大輔;UAV/SfM-MVS技術を用いたのり面構造物健全性点検手法の適用性の検討、平成28年度土木学会関東支部研究発表会講演集(CD)、2017
※撮影データ・利用事例等は、日特建設株式会社様にご協力いただきました。

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